ISBN-4894241196
風雅書房
ブックデザイン:
鈴木成一デザイン室
このことについてこういう場所に書くのはどうかとも思ったのですが、例の騒動の時からずーっと私が言い続けてきたことなのでアップすることにしました。
正直言うと、ここ数年のアラーキーの写真に関しては、私は手放しで好きだとは言えません。「
センチメンタルな旅」(もちろんリアルタイムで見ていませんが)は衝撃でした。あれは巷にあふれる嘘の写真を嫌って始めたことなのに、今の彼の写真は、スタイルという名の一種の嘘なんじゃないかしら。私は写真なんて嘘でも構わないと思っている、というより、どうせ嘘なんだから、夢を見させて欲しいんです。上にかいてきた文章でわかる通り、やっぱりきれいな写真が好きだ、写真集の中は現実逃避できるような場所であって欲しいのかもしれません。それは見たいものの違いだから仕方ないのかもしれないけれど、でも彼の最近の写真だって嘘じゃない?
彼の最近のモノクロコマ取りの写真たちにはエロスを感じられない。それらは醜くてこっけいなだけ。花の写真の方がよっぽど官能的だ。
でも、そんな彼の最近の写真集の中で、「遠野小説」は違っていました。タイトル通り、そこには小説がありました。下品さを売り物にしたヌードではなくて、裸にも必然性があります。写真を撮りながら出来上がって行った小説。
なんであんなことになったかは憶測の域を出ないから、ここには書きませんが、これを出すことは決して藤田氏にマイナスになるとは思えないのに。小説を演じる彼女はものすごく魅力的でした、今まで出たどんなドラマよりも。私が今まで見たヘアヌード写真集の中では文句なしの一番なのに……とても残念で、彼女にはすっかり失望しちゃいました。
書店で見ることは出来ないけれど、古本屋で見つけたら「買い!」の一冊。でも今、いくらぐらいするんでしょうね?