『あほらし屋の鐘が鳴る』 斉藤美奈子

by SAITO Minako

ISBN-4022573058

1999年/朝日新聞社
1500円+税
304頁/四六並製
AD:坂川事務所
イラスト:猫柳あけみ
pink」という雑誌がありました。といってもそんなに売れた雑誌じゃないから知らない人も多いかも知れません。町山広美の連載があったりして、全盛期の「CREA」に似ていなくもないけれど、もっとマイナー感溢れるというか、良くいえばとんがっているというか……なにせ「結婚はしない、子どもだけ欲しい」とか「バツイチからマルニ(再婚のことね)へ」とかいう特集を組んでしまうし。連載陣も桜沢エリカ、原律子、創刊号には岡崎京子もいたのだけれど事故のため休止、笹野みちる、神取忍、斉藤綾子……と知る人ぞ知る、というメンバーで。その中に斉藤美奈子も入っていたのでした。

そんな「pink」と、花田編集長の元に井上嗣也のディレクション篠山紀信の写真という鳴物入りで創刊された割にはあっという間になくなった「UNO!」の連載と、朝日新聞の書評をまとめたのがこの本。「UNO!」の連載は雑誌評、「pink」のは雑誌や書籍にこだわらずに子どもの名前やバスフィッシング、ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」などそのときどきの問題に触れているので一番面白い。特に笑えるのがバスフィッシングで、以前から釣り雑誌や番組の妙な言葉遣いが気になっていたのだけれども、あらためて書き出されると本当におかしい。
アーリーサマーからミッドサマーにシーズンがシフトするころ、バスはレイクのディープエリアにラッシュしてくる。
なんていうのは普通にいえば
初夏から真夏に季節が変わるころ、バスは湖の深場に集まってくる。
と短くなるわけで。これって『巨泉』の
アーリーリタイヤメントのためのブループリント
に通ずる物があるぞ。これはぜひとも釣り好きの家人に読ませなければ、と渡したところ、「これはちょっと誇張しすぎだ」と言いながらも、釣り好きであってもあの言葉遣いは気になっていたらしい。好きでも気になるのだとするといったい誰が使い始めたんでしょう? 糸井重里か?

それからなんといっても傑作なのは、何回か掲示板などでも紹介したかと思うのだけれど『失楽園』ダイジェスト。二分冊の本って、図書館で借りるにしても二冊同時に借りると期限までに読み終わらなかったりするし、かといってバラバラに借りようとするとうまく続けて借りられなかったりして面倒。買うにしたって結構な出費だから、これを読んでから考えたって遅くはないと思うぞ。

about bookdesign...

猫柳あけみさんなるイラストレーター、「pink」連載時から何者だろう?と思っていたのだけれども、後書きによると著者の友だちであるらしい。

最終更新日時:2007年01月16日08:05:38
2001年08月03日(金)15:32 by PINO - Category: bookguide
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2004/04/29 14:02

コメント

よっちゃんさん:私の知り合いのお爺さん(97歳)は大阪市天神10丁目の出身です。(東京で言うと銀座か日本橋の生まれ)本当に大阪では理屈をごちゃごちゃ言う人に「そないな事言うてる間にあほらし屋の鐘が鳴りますがな」って本当に言う?と聞いたら、ニヤニヤと笑っていました。関東ではおよそ聞かない言葉なので懐かしかったのではないでしょうか。なんでそういうのか・・・・名より実を取る関西人ならではの言い回しなのかな。

 
2005年06月21日(火) 20:38
PINOさん:関東だとほんときいたことない言葉ですよね。
関西でも若い人はもう使わないのでしょうか、どうでしょう?
2005年06月26日(日) 15:39

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