ISBN4-488-01608-1
1995年/東京創元社
1500円+税
184頁
「本が人を殺す」とのコピーで映画にもなったこの本の名前を最初に聞いたのはniftyのブックフォーラムでしょうか。本が人を殺すって、どういうこと? まさか毒が塗ってある、とか本で殴る、とかなんてわけではなくて、『私家版』というタイトルから私が想像したのは、読んだ人が死を願わずにはいられないような内容の本を書き、当然きちんと出版できないだろうから、私家版で出す、ってものでした。しかし、死を願うような内容ってなんだ? アガサ・クリスティの『
そして誰もいなくなった』では犯人は自分が死んだ後に残った人を必ず死ぬ気になるように仕向けなければならなかったわけですが、それに通ずるようなものがあるのかしら?
で、読んでみたら勿論違ったわけだけれども、ネタバレすることもないのであえて書きません。でも決してあっと驚くトリックなどではない。ただ文章がとても丁寧で、全てのエピソードが伏線となって繋がっているあたりに好感が持てます。なんでも著者初の小説だそうで、それはそれで驚きなのですが。絶賛ていうわけにはいかないけれど、あえてけなすべき点も見つからない、となるとどう書いてよいものやら、と今回は短いけれど、これでおしまい(おまけに今回はデザイナーの名前をメモるのも忘れた)。