ISBN-457528985X
1999年/双葉社
1500円+税
256頁
ブックデザイン:
勝井三雄+川又淳
「難しい本ばかり読んでいる」との感想を頂くことがありますが、決してそんなつもりはありません。ただ気軽に読めて、面白いものって意外と少ない。すぐ読み終わるけれど、何も残らない、みたいなものが多い気がします。
話は変わりますが、私の勤務先では仕事中に本を読んでいても怒られない。まあ残業もつかないので、それぐらいは大目に見て欲しいっていうのもありますが。で、一時期流行ったのが久住氏の『
夢蔵』。これは夢を絵と文章で表したものなのだけれど、やけに具体的な夢もあれば、全く意味不明のものもある。それで面白いと思う夢って人それぞれなんですね。会社でどれが面白かったか、という話をしたときに、皆違うのが興味深かったです。ちなみに私は「プシューという箱」という、ただ箱があってそれがプシューと音を立てているっていうのがおかしくてたまらなかった。
そんな久住氏の新刊を図書館で見つけたので借りてきました。オジハルこと、久住氏のお父様には工夫癖がある。工夫癖とは癖だから、日曜大工のような趣味とは訳が違う。見た目は気にしないし、その辺にあるものを使うし、なにより計画性がないから、うまく使えないこともしばしば。一番おかしかったのが、オジハル氏にはトイレのドアに鍵をかける習慣がないので、使用中に家族がドアを開けてしまうことがある。なので使用中であることが判るような電気をつけようと、壁に穴を開けたりしちゃうまでするのだが、そんなの鍵をかければすむことなのに……。と、オジハル氏は万事そんな調子なのだけれど、著者はそれだけでは飽き足らず、オジハル的な者を探しにカメラ片手に街へ出た。街中のオジハルは、トマソンやVOWにも似ているけれど、全くの無意味なものではない、という点で違っています。悲しいほどの工夫が見受けられる。で、それは癖だから、まさにしなくてもいい苦労、じゃなかった工夫をしちゃっているのが面白悲しい。
周りにオジハル氏みたいな人がいたら楽しいでしょうけど、オジハル夫人は大変だ、まったく。