ISBN4-309-01737-1
2005年11月
河出書房新社
1000円+税
130頁/四六判上製丸背
装幀=町口覚
(マッチアンドカンパニー)
第42回文藝賞受賞作。
大学を辞めた主人公マリモは、2階に住み込んで喫茶店の手伝いをしている。
2階の部屋の向かいのアパートにあった空き部屋に若い男性が越してきて、その暮らしをマリモは自室から覗いている。男性の元には付き合ってまだ間がないような女の子も遊びにくる。
マリモは散歩をしながら、部屋でヨガをやる女性の様子を覗いたりする。
そして自室の壁に耳を当てて、隣のミカド姉さん(とそこにやってくる男たち)の様子をうかがってみたりする。
本の紹介には「ゆるやかな官能を奏でる」とあるけれども、特に「官能」は感じられなかったなあ。
覗きと官能、というと昔見た映画『仕立て屋の恋』を思い出すのだが、あれは美しい女性と、じっとりと吸い付くような視線が本当に官能的だった。
一方この本は、視線の主が若い女性だからか、それともミカド姉さんの素敵さがあまりイメージできないからか、ちっとも官能的ではないのである。
じっとりどころか、さらりと読み終わってしまったかな。