ISBN4-03-744420-8
1999年12月
偕成社
1200円+税
228頁/四六判上製
カバー表紙デザイン=渋川育由
カバー表紙絵=早川司寿乃
本文デザイン=中村銀子
本文カット=梨木香歩
実は梨木さんの本を読むのは初めて。有名な『西の魔女〜』などではなくこれを選んだのは、臍曲りだから……じゃなくて、いつも読んでいるサイトに出てきたから。
主人公の「ようこ」が欲しかったのはリカちゃん人形。なのにおばあちゃんから送られてきたのは「りかちゃん」という名前の市松人形。最初はがっかりするのだけれども、すぐにその「りかさん(おばあちゃんは「りかちゃん」と呼んでよかったのだけど、ようこよりも年上なのだから「りかさん」と呼んでほしいと人形が言う)」が好きになる。なぜならりかさんとは話ができて、他の人形の考えまでも見ることができるのだもの。
人形に怨念がこもっているとか、いろんなお雛様を混ぜてはいかんとか言うけれども、そういう言い伝えがきれいに物語におさまっている。私は子どもの頃、急な引っ越しも多かったから人形を捨てることもあってねえ、捨てるものを庭にまとめていたのだが、二回から見下ろすと、そこに混じって芝の上に転がっていた日本人形の白い顔が見えてそれは今でも忘れられない。人形は恨んでいるだろうか。りかさんのような「恨まない、っていうのは、人形にはとてもめずらしい資質だ。」とあるもの。
単に人形の不思議なお話じゃなくて、おばあさんの言うことやりかさんの言うことにいろいろ考えさせられる。人も人形も植物も。すべてこちらの心持ちが大事なのだ。
児童書なので一部ルビがふってあるけれども、何年生くらい向けなのかなあ。低学年にはまだ難しいな。でもお人形の好きな女の子はきっと夢中になって読むだろう。
しかしこのタイトルとカバーは微妙だなあ。『西の魔女〜』や『春になったら苺を〜』などは女の子の心を惹き付けるような想像の膨らむタイトルじゃない? でも内容も知らず、著者も知らなかったらちょっと手ののびないタイトルだよね。カバーもひな人形だし。
友人たちが一時期競うように梨木さんの本を読んでいたのだけれども、その気持ちがよくわかる。もっといろいろ読みたくなった。
about book design...
本文は石井細明朝のKPTかな?