ISBN4-04-873493-8
2003年10月
角川書店
1800円+税
432頁/四六判並製
装丁=角川書店装丁室
サイトを始めた頃はリンクページもあって、個人で書評を載せているサイトのリンクもあったのだけれども、そのほとんどはもうなくなってしまっている。でも知人以外で一番最初に相互リンクを申し込んでくれた桃花さんは、ブログに移行して日記中心になっているけれども、それでも今も続けている数少ない人。
その桃花さんが面白かったと書いていたので読んでみた。
思わせぶりなタイトルと、女性のヌードのカバーになにか官能的なものを想像していたから、いきなり小学生たちがたむろする体育館裏の描写なので面食らう。
読みはじめて、うーん、小学2年生ってこんなかなあ。こんなじゃない、と思うのはこんなであってほしくないという願望なのかなあ。2年生たちはどんどん大きくなって、3年生になり、卒業し、中学生になる。そこで「こんなであってほしくない」の気持ちはMAXに。こんなであってほしくない、学校もこんな場所であってほしくない。でも、こんなじゃなかったかもしれないけれども、こんな要素のある世界だったことはみんな知っている。
そんな中学生たちはあっという間に大人になっている。田舎の小さな町ってこうなのかもしれないなあ。東京やら大阪やらに出て行かれるのはほんの一部だけで、なんかまあみんな「いかにも」なところに落ち着いている。
小中学生の頃ってこんなにも特別なものなのだろうか。30代になったあの子どもたちは、みなもうすっかり今の暮らしにぴたりとはまっているのにも関わらず、それぞれに引きずっている。いつもいつもじゃなくて、それはひょんな拍子に出てくるものらしい。何度も引っ越しをして、今はもう当時の誰一人とも繋がっていない私にはよくわからないけれども。
ありえないような偶然の絡むラストは、最初はあまり好きではなかったけれども、あとから気になって何度も読み返してしまった。そしてだんだんこんな終わり方もいいかな、と思えてくる。
そうそう、この人の小説は初めて読んだのだけれども、しばしば新撰組の隊士に例えられていたり(大河ドラマのおかげでどんな人物かわかるが、でもこれが書かれたのってドラマより前だよね)、ベニスに死すの場面がなんの註もなく出てきたり、と必要以上のたとえ話で自分の博識をひけらかしているような印象があるのだが……でもなんかそんなところも嫌いではないな。
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本文はLHM。