『この世で一番大事な「カネ」の話』西原理恵子

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ISBN978-4-652-07840-2
2008年12月
理論社
1300円+税
240頁/四六判仮フランス装
ブックデザイン=祖父江慎
+安藤智良(cozfish)
読みたいなあと思っていたら編集者N嬢が貸してくれた、というかくれた。ありがとう〜。
実は西原さんの漫画ってちゃんと読んだことがない。元々漫画はあまり読まないのだけれども、西原さんの場合絵を見ただけでなんか苦手で……同じ理由でN嬢も漫画は読まないらしいのだが、この本は絶賛していた。

読んでみて、共感できるところがいっぱい。そう、「カネ」はとっても大事なものなのに、その話題は避けられてきたよね。西原さんとはものすごーく程度が違うけれども、私も子どものときから親の羽振りのいい時代とお金のない時代とを経験している。だから大学に入るときにもそれは「カネになる」=「仕事をする」ことに直結している分野しか考えられなかった。本当に勉強してみたいと思う分野はお金にならなかったし(ってどんな学部を出ていたって会社員になればお金を稼げたんだろうけど)、少なくとも「自分探し」みたいな理由じゃ大学には行けなかったね(そのわりには真面目に通わなかった&現在もあまり儲からない仕事をしているけど)。
美大に行くような人の8割くらいは「カネ」のことなんて考えちゃいないんじゃなかったか(まあ専攻にもよるのかもしれないが)。だからハングリーな人は少なかった。西原さんの学生時代のガツガツした感じはとても潔い。「カネ」のことをきちんと理解していたら、自分探ししたり、「本当にやりたいことじゃない気がする」とか言って会社を辞めたりはしないと思うんだよね。
自分の子どもはおそらくそんなに羽振りのいいことは経験しないだろうけれども、けれども貧乏を経験させたくはない。西原さんは貧乏ゆえに学んだことがたくさんあるけれども、でもそれは「経験だ」なんて言う生易しいもんじゃないんだよね。そんな中で、私は決して子どもに「カネ」の話をタブーにはしないようにしようと思う。家にあるあらゆるものも、そして人から貰ったと思っているものもすべて誰かが「カネ」で買ったものなのだと。そしてその「カネ」は労働の対価なのだと。この本が理解できる年齢になったらきっと子どもにも読ませよう。

以前西原さんと勝間和代さんとが対談をしていて、2人とも「カネ」の話をしているのに、なんか噛み合ないものを感じた。で、この本を読んで、ああそうかと思う。西原さんは自分に唯一できることは絵を描くことだと思い、それを「カネ」にする方法を考えた。一方勝間さんは(多分自分にできることはものすごくいっぱいあって)一番「カネ」にしやすい方法を選んだ。どちらも「自分でお金を稼いで生きていく」ということにおいて正しい方法なんだと思う。でも「選べた人」と「選ぶよりはなかったので引き寄せた人」との、どちらに私が魅力を感じたり共感をおぼえたりしたか、ということなのだな。

about bookdesign...
本文はイワタ明朝体オールド。
さすが祖父江さん、って感じの本文2色刷しかも折りごとに刷色変え、左右で違う強烈なノンブル、お札からとった模様が飾りで入っていたり……と盛りだくさんですよ。

2009年04月13日(月)15:13 by PINO - Category: bookguide
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