ISBN-4309018041
2007年2月
河出書房新社
1300円+税
308頁/四六判上製丸背
装幀=泉沢光雄
カバー写真=笹原清明
有名なのに読んだことない作家の本を読もうキャンペーンは奇しくも直木&芥川賞受賞後第一作を読もうキャンペーンに。図書館で借りたのだけどすごいなこれ、2月末発行で3月頭にはもう14刷だよ。単に芥川賞受賞だけじゃそんなに売れなかったろう。最年少受賞、しかも直木賞も金原ひとみで若い女の子のツーショット写真はいろんなメディアに載った。あれを見ていたときは、作家の選ぶこれらの賞は出版界の広告塔なのだ、と思ったのだけれども。だから受賞後第一作が子役を主人公にしたものだと知ったとき、この人なかなかすごいぞ、と感じたのだ。周りに持ち上げられる子役を書くことは、最年少だ女子大生だと自分をもてはやす周りへの皮肉なのではないか、と。なので結構期待して読み始めたのだけれども……。
つまらなくはない。どんどん読める。けれどもねえ、できごとを時系列順に追っているだけの作文のようでフラットな感じだ。子役を主人公にするのもそんなに珍しくもないし。10年以上前に
子役白書という本を読んだことがあるが、文章はつたなくても本人の体験もおそらく入っている分面白かったかもしれない。
素直にデビュー作や受賞作を読んだ方がよかったかもね。
(以下ネタバレ)
ラストには全く救いがない。ラスト以前に、中学時代の友人の家に行くが引っ越したあとだった、というところがかなり容赦なくて、ラストはそのだめ押しのようだ。ああでもここまで残酷な終わり方が書けるのはやっぱり若いからなんだろうなあ。歳を取るということは息の根を止める手に力を入れ続けることができない、ということかも。
about book design...
本文はリュウミン。
カバーに女の子の写真を持ってくると主人公のイメージを固定しそうだけれども、目を伏せた横顔だからそんなことはない。