『泣きたい気分』アンナ・ガヴァルダ

ISBN-4105409018
2001年7月
新潮社
1300円+税
208頁/四六並製
Illustration
=Keiko Matsumoto
Jacket Design
=Shinchosha Book
Design Division
重たい小説を読んだあとなので、今度は軽いものを。以前読んだ『チート』の巻末広告で見て気になっていたこの本を選ぶ。
フランスの、若い(本書を書いたときはぎりぎり20代)女性作家による短編小説集。

一つめの話『サン=ジェルマン作法』を読んでいるときは正直「しまった」と思った。主人公の女のコは、道ですれ違った好みのオトコとデートをし……というお気軽な恋愛小説のようだったから。「軽いもの」が読みたくて選んだとはいえ、そんなお手軽な話は嫌だな、と思う。
でも次々読んでいくと、「泣きたい気分」になるのは必ずしも恋愛のせいではないことがわかる。軽い恋愛のせいで「まったくもう」と思う程度のことから、重大な良心の呵責にさいなまれるものまでいろいろだ。どの話も短く、テンポのいいものなので飽きることなく読むことができた。

原題は直訳すると「誰かにどこかで待っていて欲しい」だけれども『泣きたい気分』という邦題は絶妙。必ずしも泣いてしまう話ではなくて、あくまでも「泣きたい」なのだもの。

about book design...
本文はNKL。
巻き見返し、それも二つ折りにするのではなくて、1枚の見返しでくるんでいるので前後それぞれ1枚ずつの見返しになっている。表紙を思いきり開いたときにノドの糊が見えたりするのであまり好きな形ではないのだけど。表紙のラフ目の紙を見せたかったのかな。
扉も1色、本文共紙なので全体にちょっと安い感じ。

2007年05月02日(水)01:34 by PINO - Category: bookguide
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