『ジーヴズの事件簿 P・G・ウッドハウス選集1』P・G・ウッドハウス

The Casebook of Jeeves by P.G.Wodehouse/岩永正勝・小山太一=編訳

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ISBN4-16-324090-X
2005年5月
文藝春秋
2762円+税
464頁/四六上製丸背
装幀・装画=森ヒカリ
りつこさんが面白いと書いていたジーヴスに初挑戦。しかしよく見るとりつこさんが読んだのは国書刊行会版。私が借りたのは文春版。訳者が違うので、各短篇の邦題も違う。そして両方に収録されているのもあれば、片方だけのもある。もう、全部収録してよ、と思うのだが、なんと79篇くらいあるらしい。“くらい”というのは正確に数えるのが難しいからで、微妙に違うが似ているものがあるからどこまでを同じ作品としてよいのやら、ということらしい。
ちなみにAsk Jeevesなる検索エンジンがあるのだが、このJeevesこそがこの本のジーヴス。つまり英米じゃジーヴスはそんなにも有名な名前なのだ。日本で言えばさしずめ「一休さんにきけ」とか「吉四六にきけ」とか? 「遠山の金さんにきけ」でもいいか。
このジーヴスはどんな難問も切り抜ける天才執事で、その主人は人はいいが頭の悪いバーディ。バーディのトラブルはたいていうるさい叔母か惚れっぽい友人ビンゴによって引き起こされ、見事ジーヴスが解決した暁にはバーディは気に入っていたのにジーヴスに反対された派手な服(紫の靴下とかオレンジのカーマベルトとか)を手放すはめになる、となんともワンパターンな展開が遠山の金さん(などの時代劇)に通じるところが。でも金さんとは大きく違うのは、それらのトラブルがわりとくだらない、人が死んだりするような大事件じゃなくて、結婚させられそうになったり、賭け事に負けそうになったり……といったもの。そしてジーヴスの解決方法は「これぞ正義!」なんて感じのものではなく、むしろ主人を窓からこっそり逃がしたり、一番多いのはなんとその主人を狂人に仕立てることで解決(?!)するというものなのだ。
とワンパターンでくだらないものと言ってしまえばそれまでだが、なかなかどうして面白い。結果が見えていてくだらないのに思わずくすりと笑ってしまうような、こういう本って最近にはないよね。

about book design...
古い作家の全集なのに明るくてとてもかわいいカバー。なので厚みのある本だけど手に取りやすくていい。2巻目はピンクだっけな、並べておいてもかわいいね。各章タイトルも書名と同じ文字にすればもっといいのになあ。
本文はOKL。シニカルな内容に対してちょっと優しすぎるかしら。

2006年08月11日(金)11:38 by PINO - Category: bookguide
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