『転々』藤田宜永

by Fujita Yoshinaga

ISBN-4575233668
1999年4月
双葉社
1800円+税
336頁/四六上製丸背
装幀=柿木栄
装画=本多涼子

ISBN-4101197180
新潮文庫
朝日新聞の書評欄を見て借りた本。新しい本じゃないからきっと文庫版の書評だったんだろうな。
サイトの書評を見て、だと読み終わったあとにもう一度その書評を読み直すことが出来る。そしてあらためて共感したり、はたまた違うなと思ったり。でも新聞だとそうはいかないからねえ、いちいち保存しておいたらすごいことになりそうだし、図書館に行って古新聞を読もう、なんて思うほどのことでもなく。

借金に追われる学生が主人公で、彼は借金取りに吉祥寺から霞ヶ関まで一緒に歩くだけで100万くれると言う。そして2人は一緒に歩きだすのだけれども。
『小説推理』に連載されていたということでミステリーかとも思うが、結末はわりと簡単に予想がつく。それはたいした問題じゃなくて、二人が出会う裏稼業の人々(ストリッパーだったり、売春パブのママだったり)の有様を描くことが重要なんだろう。そもそもこの二人も裏側の人間のわけだし。しかしねえ、二人が歩くのはたかだか数日なんだけれどもいろんなことに出会いすぎるよ。逮捕やら自殺、窃盗なんてことは毎日すごい数行われているわけだが、でもそれらに遭遇することなんてほとんどないでしょう? なのに二人は次々と、むしろその数日の間に出会った人の中に普通の人はいないんじゃないか、ってくらいに。まあでもこの本はそんなかたいことは言わずに次々起こる事件を楽しみながら読むものなんだろう。連載のときに読んでいたら「さあ次は何が起きるんだ?」とどきどきして面白いかもしれないね。一時期流行ったジェットコースター・ドラマみたいな感じかな。

2006年05月16日(火)11:37 by PINO - Category: bookguide
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