ISBN-4103314079
1994年4月
新潮社
1456円+税
300頁/四六上製丸背
装画=方緒良
装幀=新潮社装幀室
ISBN-4101288070
図書館に行くときは借りる本のアタリをつけていくのだけれども、実際に手に取ってパラパラ見てみるとどうも読みたい気分ではない。さてどうしよう……という時に思いだしたのがこの本。いつも見ているサイト
ch-1000 ver.2で「最近鑑賞した映画、音楽、本・・・とにかく全ての中でナンバーワンだと思う。」とまで書かれていたこの本、絶対に読まなければと思っていたのだけれど先に
安楽病棟を読む機会があったのでそのままに。
精神病院が舞台であることと、なにやら殺人事件が起こるらしい、ということでもっと陰惨なものを想像してためらいもしたのだけれども、実際は予想とだいぶ違っていて。精神病院、しかも「閉鎖病棟」のタイトルだけれども、実はそれほど重篤な病人たちではなく、昼間は自由に病院から出て町に買い物に行ったりもしている。そして殺人は……本を読んでいるうちにその病院がほのぼのとした楽しい空間のようにさえ思えてくるのだけれども、被害者はその環境を壊す有害な人物であり、その人が死ぬことによって生きようと思う若い命があり、そしてその彼女が生きることで、生き続けようとする別の命があり……と考えると殺したっていいじゃないか、とさえ思えてしまう。
そんなストーリーよりもひかれるのは、患者と家族、患者同士、患者と医師、といった人間関係だ。そういった人々を描くとき、「安楽病棟」でも思ったのだけれども、著者は誰かに近づきすぎることもなく、まるでノンフィクションかと思うほどに淡々と書いている。それがとてもリアルで、読んでいるとこれは現実の話なのではないか、現実にある場所なのではないか、と錯覚しそうになる。いやきっと現実にもあるのだろうが。一度も見舞いにこない家族も。退院を阻止して家を売ろうとする家族も。
もっともっとこの人の作品を読みたい。
テツルさん:こんにちは。初めまして。
私のブログを見つけてくださってありがとうございます!
最近、育児と仕事に追われてしっかり本を読む時間がなくて、それでも仕方ないや・・・と思っていましたが、頑張って時間を捻出して読みたい!という気持ちが復活しました。ありがとうございます。
こちらのサイト、書評満載でたまらないです。また覗かせていただきますね!
PINOさん:わ! テツルさん!
テツルさんのサイト、かなり前から読んでおりました。
うちにも1歳違いの娘がいるんですよ。
やはり出産し、仕事をしているとすっかり本を読む時間がなくなって、ここもパッタリと更新が途絶えていたのですが、去年ぐらいからまた再開しました。
しばらく読まずにいたせいか、やっぱり本って面白い!とつくづく思いますよね。
帚木蓬生という作家の存在すら知らなかったのですが、テツルさんのサイトを見て「これは読まねば!」と思い、すっかりはまっています。
こちらこそどうぞよろしく。