ISBN-4388058084
1997年7月
柴田書店
1800円+税
132頁/200x200mm並製
撮影=日置武晴
スタイリング=高橋みどり
イラストレーション=牧野伊三夫
デザイン=中村義郎
私が日常的に料理をするようになったのは、大学生になって一人暮らしをするようになってからだ。当然レパートリーは少ない。なので料理の本が欲しい。が、貧乏学生にはそんな余裕はなく、かわりに新聞の料理欄を切り取ってノートに貼っていたのである。それらのノートは今もとってあって、5冊以上はあるのだけれども、もう糊が劣化してぱらぱらとはがれてしまい、みすぼらしいことになっている。
そんな私が初めて買った料理の本がこれ。仕事で関わっていた月刊誌に2ページだけ料理のコーナーがあった。料理人もカメラマンも毎号変わって、地味なときもあれば派手なときもある。その中で一番気になる料理人が長尾智子さんだった。写真は日置武晴さん。その二人の組み合わせでの本が出るというので、すぐに買いに行ったのだ。
本は期待通りの内容で。実はこの本を見ながら作った料理はとても少ない。ご飯をね、鍋で炊くというのがちょっと敷居が高いのだ(同じ材料で炊飯器で炊いたりはしたけれども)。でもレモンを常備して調味料としてばんばん使ったり、和食でもオリーブオイルを使ったり、熱したごま油を生野菜にジャッとかけたり……なんてアイデアはいろんな料理に使えて重宝している。
そしてなによりこの本のいいところは。疲れていて料理する気になれない、でも外食や中食には食べたいものが思いつかない……なんて時にこの本を眺めると、ああこれなら食べたいな、作ろうかな、という気になるような優しい(易しいではなくて)ものたちが載っていることだ。だからこの本は見ながら作るというよりも、やる気のないときでもモチベーションを高めてくれるような、そんな本。
あとポイント高いのは、“もうひとつのもくじ”と称して食材から選べるインデックスがついていること。「大きなキャベツがあるんだけどなに作ろう?」なんて時にとても便利。すべての料理本にこれがついていたらいいのにね。