ISBN-4620310883
1995年10月
毎日新聞社
1400円+税
248頁/四六上製丸背
装丁=原研哉
カバー装画=水谷嘉孝
ISBN-4101321221
新潮文庫
読むきっかけはROMしている翻訳家藤田真利子さんのサイト(
書斎周辺)。小説家のサイトだと「ああ、垂れ流しの文章だとこんなになっちゃうのか」と思うようなものもあるのだが、翻訳家のサイトはいくつか見ているけれども、どれも面白い。私的なことを書いてもどこか客観的と言うか。自分を出しすぎない文章を書くことに日頃慣れているからかなあ、なんてのは勝手な憶測ですが。で、真利子さんのサイトは読んだ本については本当にメモ程度のことしか書いていなかったりするのだけれども、それでも読みたいと思ってしまうものが多いのです。
姫野カオルコという人のことはあまり好きではなかった。そのくせ実はちゃんと読んだことはなかったのだが。昔関わっていた雑誌に連載を持っていて、だから当然読んだはずなのだけれどもまったく記憶にない。ってことは面白くなかったのだろう。編集者経由でMacを買い取ってほしいと言ってきたり(古い型のなのだが、ご当人は「箱から出してもいないから新品だ」とおっしゃる)ちょっと変わった方、のイメージが。そして何より苦手だったのがその名前だ。“カオルコ”とか“サクラコ”とか、別に“コ”をつけなくてもいいじゃん、って名前がどうも好きじゃないのだよ。
しかし今回この本を読んでみて。今までそんな偏見を持っていたことを謝りたいくらいに面白い。95年に出た本で、改稿しているとはいえ雑誌に載せたものだから初出はもっと前なのに全然古くさくない。芸能人の名前なども出てくるから確かに古くはなっているのだけれども、このてのエッセイにありがちな、数年後に読むと恥ずかしいっ、って感じはまったくないのだ。声を出して笑ってしまうところあり、うんうんと頷くところあり。面白いものとそうでもないものの差がはっきりしているが(前半の方が面白い)いろんな雑誌に載せたものを集めているわけだからまあ仕方あるまい。
今度小説も読んでみようかしら。