ISBN-4048734717
20030年6月
角川書店
950円+税
256頁/四六並製
装丁=谷口広樹
朝日新聞の書評がきっかけ。
専業主婦の一日を描いた小説で、たった一日、しかも主人公は専業主婦というあまり変化がなさそうな人物。そんなシンプルな設定なのに読ませる小説は……とわくわくしながら読み始めたのだが。
主人公には二人の浮気相手がいる、しかも自転車で行かれる範囲に。なんかその時点でがっかりしてしまう、だってそれじゃあ全然普通の主婦ではないではないか。それとも私が知らないだけで今時の専業主婦にはそんな相手がいるの? イケメン揃いの整形外科でマッサージを受けたり、PTAの仲間に「姫」と呼ばれたり……なんか読めば読むほどしらけた気分になってしまう。しかもその主人公になにひとつ共感できる部分がないのだ、その行動にも、言うことにもなにひとつ。だいたい朝から旦那のお弁当と同時進行で浮気相手のも作るし、それだけでなく旦那の夜の食べ残しを箸をつけた部分だけ取り除いて翌朝そいつに持っていこう、なんてこともするのである。前に
『マイ・ガール エミリー』のことを“100%娯楽でしかない本”と書いたけれども、これは娯楽にすらならないなあ、だって全然楽しくないから。梅田花月に行って面白くも何ともない、しかし当人たちはハイテンションになっているようなお笑いを見ている感じ。そのくせ「男は専業主婦を自分の稼ぎで食っている奴、という風に馬鹿にしているけれども、実は何も知らないふりをして夫を立てているだけで、平和な家庭生活を仕切っているのは主婦!」みたいなことが伝わってこないけど伝えようとしている感じがあって落ち着かない。
しかしネットでちょっと検索してみたら、わりと評判がいいようなのだ……うーむ。
でもふと思い返してみると、家事は妻の仕事となにもしない歳の離れた大学教授を夫に持ち、PTA活動に燃え、ボランティアで小学校で教え……と主人公によく似た生活をしている知人がいるなあ(浮気はしていないと思うけど)。彼女のような人が読んだらまた違う感想を持つのだろうか。
ところでタイトルの「ハワイッサー」とは
沖縄独特の表現で「極楽だ」という意味。
「ハワイ=極楽」というイメージから派生した言葉。
なのだそうで。寒い地方ならいざしらず、沖縄から見てもハワイが極楽、ってのがなんか可笑しい。