ISBN-4594019501
1996年/扶桑社
1262円+税/224頁
装丁:小栗山雄司
イラスト:中川いさみ
ハイレベルな文学作品を二冊続けて読んだ。なのでここでちょっと息抜きに、お気楽なエッセイに手を出してみた。ご存じ第三舞台の鴻上氏が雑誌「
SPA!」に連載していたもの。実は以前に『
ドン・キホーテのロンドン』を読んだので、順序は逆になりますが。ちなみに私の第三舞台歴はあまり長くはありません。「リレイヤーIII」からで、まだ3年くらいでしょうか。それまで演劇というと、やっている人たちが楽しんでいる感じで、観ていてもあまり入り込めないというイメージがあったのですが、仕事でかかわるようになったのを機に観るようになりました。これがなかなかよい。でもねえ、ピークは知らないんですよね。演劇通の元同僚K氏によると「ビー・ヒア・ナウ」がイチ押しだそうですが、どなたかご覧になった方いらっしゃいますか?
それはともかく本の話。こういう雑誌連載のエッセイって後から読むとちょっと辛いところもありますね。例えば「プレステなんて誰が買うんだ!」って言うのがありますが、実際は……ねえ。雑誌に連載を持つ日が来たら、近い将来を予測するのはやめておこう、ってそんな日は来ないか。こういう点では村上龍はすごいのかもしれない。『
すべての男は消耗品である』の古いのを読むと、ちょうど今ごろのことを予測しているのだけれど、結構当たっていたりするので。彼の小説は実はあまり好きではないのだけれど……いわずもがな最近のサッカーエッセイに至っては……。
まあ村上龍についてはまた別の機会に。で、鴻上さんのエッセイですが『ロンドン』の方が楽しく読めた。というのもロンドンというのは私にとっては未知の世界で、なおかつ演劇学校なんて全くわからん。そういった知らない世界でミーアキャットになったりする話は純粋に楽しいのだけれど、『ピアス』の方はオウムとかについて我々はもう十分ニュースで知っちゃっているのに、文章の方はまだあまり情報のない時に書かれたわけだから……。雑誌の連載ってすぐ単行本になったりしますが、文章って生ものだから、雑誌で楽しかったものが本でも楽しいかというとそうではない、ということですね。