ISBN-4087743225
ISBN-4087743233
1998年/集英社
上下各1800円+税
装幀:坂川栄治
装画:ジェームズ・タレル「気団」
書店で本を買うときは、装幀が結構重要なのだけれど、図書館の場合、平積みになんかなってないし、なによりカバーがビッチリとシールで覆われてしまっているから、デザインを楽しむ余地なんてない。おまけに帯もないから内容なんて想像付かない。なので、ある程度読みたい本を決めて借りに行くことが多い。
で、その時に何を参考にするかというと、朝日新聞日曜の書評とメタローグから毎年末に出る『
ことし読む本いち押しガイド』。これらは結構趣向があうのか、外すことは少ないので。
その『いち押しガイド』の昨年版で、気になっていたのがこの本。恐竜好きなので、始祖鳥という言葉にはそそられるし、何よりも大好きな中南米も舞台になっているらしい。が、上下2巻というのはなかなか購入にはいたらず……最近近所(といっても二駅先)にある図書館に行き始めたので早速借りてきた。
読み始めると、すぐに出てくるスプーン曲げ超能力青年。シマッタ、これはSF小説であったか、とちょっとガッカリするも、読み進めるとどうもそうでもない。でも……読む前の期待が大きすぎたのがいけなかったのか、手放しで面白いとはいえません。『いち押し〜』にあったように、風景の描写はうまい、特に色彩感覚がいい。読みながらその風景を想像して、そこに漂っているのはなんとも心地よい。でも人物描写はちょっと弱いかなあ。主人公はなぜこうもあちこちに行くのか、途中登場人物の男性が、女性を射殺してしまう、この辺からわからない。別の女性は密林から帰った後、人が違ったようになってしまうのだけれど、その辺も。
上下2巻ですが、上巻の方が断然面白い。なんかだんだん収拾がつかなくなって、終わったような、すっきりしなさがある。初出は「すばる」だそうだが、全面的に改稿したそうで、元の状態もちょっと気になる。