『ラニーニャ』 伊藤比呂美

la nina by ITO Hiromi

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ISBN4-10-432401-9
1999年/新潮社
1300円+税
四六上製/192頁
カバー写真撮影:杜英夫
装幀:新潮社装幀室
なにたべた?』という本を読んだ。これは伊藤比呂美と枝元なほみのFAXレターを本にしたものなのだけれど、企画を聞いた時には正直「ツマンなそー」と思ってしまった。そんな個人的な手紙のやり取りなんか他人が読んで面白いのか?と。ところがなかなか面白い。まずお互いが食べたものを報告するのだけれど、食べ物には生活が出るんだなーと当たり前といえば当たり前なのかもしれないけれど実感する。枝元氏は料理研究家だから仕事で凝ったものを食べたり、はたまたひとり寂しく残り物を食べたり、男が来て奮発してみたり。はたや伊藤氏は子ども三人に、日本の男アメリカの男で、自分で作ったり子どもが作ったり、男が作ったり。文章のうまさではやはり詩人の伊藤氏に軍配ですが、料理についてはさすがの枝元氏。感心したのは、インゲンと生姜の組み合わせの話で、同じ組み合わせでも、インゲンをゆでた場合は、刻み生姜、素揚げの場合はおろし生姜、というのはなるほどと思った。で、伊藤氏の私生活がミョーに気になる。二人の男との関係や、荒れる子どもやなんやかやについてもっと読ませろー!という感じ。そんな時にこの本が発売されて、早速買ってみたわけです。
こちらは一応小説なのですが、でもやはり自分と家族たちについて書いている。『なにたべた?』で素敵な外人の男、と思っていたのは、実は障害者でパソコンおたく。家は荒れ放題だし、子どもは拒食症になるし……で結構ツラかった。正直ちょっと読みづらかった。なんかカサカサしているというか。文体もプライベートな手紙である「なにたべた?」に比べると、冷たい感じ。でもラストは明るく終わるから救いがあるかな。

1999年11月14日(日)02:07 by PINO - Category: bookguide
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