1994.2.3(木)
6:10
グァテマラシティ着/市内観光(中央政庁舎、カテドラル、国立考古学人類博物館)
18:00
キリグア(遺跡)観光を経て、リオ・オンド着/宿泊 Longarone Hotel
このツアー、後ろに行くほど盛り上がるように作られているらしく(なにせ最後にティカールですから)この日はそんなに「これはすごい!」というものはなかったのだけれど……一番印象に残っているのが夜の飛行機。なので『夜間飛行 Vol de Nuit』。飛行機の中の雰囲気は、同じユナイテッド航空でも、ロスまでとは全く違う。スペイン語が飛び交うし、乗客も観光客然としたのは我々のツアーぐらいでしょうか。今度の席順は、くじ引きにしたのにもかかわらず、またしても添乗員M氏の隣。この時もまだM氏に対する印象は「暗〜い、感じ悪〜い」でしたが、M氏の方は、「こいつ初めてのくせに、よく寝るなあ、おまけによく食うなあ」と驚いていたと後で語ってくれました。小さい飛行機ですから。窓側は2列。その窓側なので、外はよく見えます。暗い中にうっすらと見える山の陰は振り返ったファビアンが最後に見る静けさの世界のよう。それを見ているうちに心地よい眠りに誘われて……目覚めるともう朝、そしてそこはグァテマラでありました。
入国手続きうんぬんは全くメモもなく、記憶もなく。まず向かったのは、エル・ドラド・ホテル。ここに泊まるのは明日で、この日は朝食を食べに寄っただけ。このホテル自体も、朝食も、そりゃあもう素晴らしいのですが、その話はまた明日。
食後、バスに乗り込んで、まずは市内観光。グァテマラシティはすっかり都会で、道行く人はほとんどスペイン系。服装も我々と変わりません。道路はすごい交通量でほこりっぽい。そこら中に国際企業の看板があって、どこの国にいるのかわからないほど。政庁舎やカテドラルなどの建造物もどれもスペイン風。
■誰もいないキリグア遺跡
■どこの遺跡に行ってもこ
のように発掘途中のまま。
しかしなぜか「もっとも高
いステラ」の写真を撮り忘
れたらしい
この頃は実は私は「ひとごみでカメラなんか出しちゃ危ないのでは?」となんと写真はなし。白状すると、ボロ封筒に穴を開けた隠しカメラケースまで作ってみたのですが、かえって怪しいのでもっていきませんでした(当たり前?)。勿論そんなのは心配のしすぎで、「ビデオおじさん」「Sご主人」「カメラマンU氏」の三大カメラ隊は撮りまくっておりました。その後国立考古学人類博物館に行ったのだけれど、記憶はおぼろげ。そして昼食もどこかで食べたはずなのだけれど……全く記憶なし。ともかく、キリグア遺跡に向かいます。
さてこの頃から早くもSご主人の文句攻勢が始まります(というか、ロスですでに始まっていたことが後でわかるのだけれど)。街中で銅像を見つけると「あれは誰だ!」。添乗員さんは勿論わかるわけもなく、グァテマラシティに住んでいるランディさんも運転手さんもわからず。でも考えてみたら、日本だって誰だかよくわからない銅像なんていっぱいありますよね? それを勉強不足だと怒っても……。
そんなSご主人の機嫌が直ったのはキリグアでハキリアリの行進を見たおかげ。ハキリアリは背丈の何倍もあるような大きさにちぎった葉っぱをヨットの帆のように立てて行列していきます。なんでも葉っぱを巣に持ち帰って、発酵させてキノコを栽培するらしい。なんと農業をするアリ!
Sご主人の関心は全てアリに注がれていたようですが、このキリグア遺跡はマヤの遺跡の中でもっとも高いステラ(石碑)があるところ。にもかかわらず、他には誰もいなくて、草や木々の深い緑の中にすっくと立つステラは神様の存在を予感させるものでありました。
H・O・T・E・L
Longarone Hotel
Km.126 Ruta al Atlantico Santa Cruz. Rio Hondo tel=0417-160/269
テラスハウス形式のホテル。設備はそんなに立派ではないのですが、プールサイドのあずま屋や、庭のオウムなど、なかなか雰囲気があります。シャワーのみでバスタブはなし。
左
■部屋の入り口
右
■たいていのホテルにはプールがあったので水着をもっていかなくて残念。もっともここは誰も泳いでいなかったけれど。
1994.2.2(水)
17:00
成田発 ユナイテッド航空 UA890
9:40
ロサンゼルス着
23:40
ロサンゼルス発 ユナイテッド航空 UA889
飛行機に乗るのは何年ぶりだろう。中学生の時に北海道に行ったきりだから……。窓側からマダムH、私、添乗員M氏の並びに。私はM氏の隣だったのは、やはり要注意リストに載っていたからかもしれない……勿論このときはまだそんなことは知りませんが。マダムHは、
「私、飛行機って、眠れなくてダメなのよ〜」
とミニボトルをかくっらって……熟睡。寝てるじゃん。ちなみにマダム、ジャングルでお茶を沸かしたらおいしいだろうと、固形燃料を持ってきたらしいのだが、勿論成田で没収。変だ、旅慣れているんじゃないのか??? 私はマダムの頭越しにしばし空を観察したあと、やはり熟睡。
朝になり、到着時間も近づいて、入国票を書かないといけません。私はこの旅行で、「ユーラシア旅行社」がすっかり気に入ってしまったのですが、理由その1―余計なことはしない。入国票を書いてくれる旅行社も多いようですが、ここは別料金なんです。書いてくれたほうが親切じゃん、と思うかもしれませんが、その分の料金が入っているとしたら……自分で書いたほうがいいや。見ていると、年配組はほとんど頼んでいるようです。私はそんな料金は勿論払っていないから自分で書くことに。で、変なことで悩むわけです。入国後の最初の滞在先を書く欄がありますよね? 夜にはまた出国するわけだから、滞在先って言うのか? すぐに出る、とか書くのかな? 今思うと、そんなの何でもいいんですが、その時は妙に几帳面に考えてしまった。M氏にきくと
「ホリデーインにして下さい」
そしてその後すぐに、
「ほんとは教えちゃいけないんですけどね」
む! こいつもしやイヤなヤツ? と思ったけれど、そのわりにはわざわざ私からよく見えるように1枚置いてくれたりして、いいヤツかも。でも悔しいから、グァテマラに入るときはわざわざスペイン語で書いて、見えるところに置いてやりました(ちなみにM氏、スペイン語はからきし)。
ロス空港はすごい人! 日本人もいっぱい。でもこっちはグァテマラまで行くんだから、あんたらとは違うのさーとちょっと優越感。集合していると、ひとりハイテンションなのが保険屋N嬢。
「出発まで時間があるから、ユニバーサルスタジオに行こうよ! 4人いればタクシーも安いよ! あなた、行くでしょ?」
と強引に誘われる。きっと営業成績はいいに違いない。しかし、他のメンバーは誰も乗らず、おまけにホテルの部屋に入るときに、添乗員M氏が
「ちゃんと休んで下さいね」
とささやいていったので、結局行きませんでした。まあそれが正解だったと思うけど。
ちなみにN嬢、今までのツアーで見た中でもっとも荷物の少ない人。小型スーツケースで軽々とやって来たのですが、結構お土産も買っているのに帰りに荷物が増えていないところを見ると、かなり空きがあると見た。私もかなり少ないほうですが(後のスイスでは最軽量。しかし最重量が家人で、なんと私の3倍。よって帰りは家人のお土産まで持たされることに)、どう頑張ってもあそこまで少なくはできない。そのN嬢、機内に謎の箱を持ち込んでいます。なんでもアタックなどの洗剤の箱に包装紙を貼ったもので、なんと足乗せ台! そうか、手荷物もハンドバッグひとつだから、足乗せにならないのね。しかし、その箱、空港でかなり怪しまれたそうです。
せっかくだからN嬢と二人で町を散歩することに。ところで私のロスのイメージってスパイク・リー監督の映画「Do the Right Thing」なのである。つまり、イタリア系がピザ屋をやっていて、中国系がスーパーマーケット、そして黒人が大きなラジカセを持ち歩いていて、しかもそこからは大音量で「Fight the Power!!!」なんてラップがかかっている、ってもの。確かに町にはピザ屋がいっぱいあるぞ。イタリア系がやっているんだから、きっとおいしいに違いない、とその中の一件に入る。うーむ、店員はどう見てもイタリア系には見えないけどまあ良しとしよう。何にしようかなーと覗くと、2種類しかない。しかも、「ソーセージピザ」はソーセージしか乗ってない。当然「マッシュルームピザ」はマッシュルームしか……勿論チーズは乗ってるけど。おまけに一切れが日本のピザの1/2枚ぐらいあるぞ。仕方ない、マッシュルームピザとオレンジジュースね。え、サイズ?一番小さいのでいい。で、N嬢は?
「ねーねールートビアって何?」
さあ、飲んだことないけど、なんか本に載ってたなあ、ノンアルコールビールみたいのじゃない? それにする?
出てきたジュースとルートビアは1リットルの牛乳パックぐらいの大きさのコップにはいっている。ちょっとー一番小さいのっていったじゃん、え? これが一番小さいの、あっそう。席について、ピザを持ち上げると、だだーっと油の滝が……おいしくないぞう、ジュースは甘いぞう、二度と来ないぞう。
店を出て、今度はスーパーマーケットを発見。中国系がやっているかどうかはよくわからないけど、やけに安いなあ。何でもあるし、まるで100円ショップみたい。面白いお菓子があるぞ、おやつに買っておこう。あ、ミネラルウォーターはどこ? 棚に行くとペットボトルがズラーリ。しかし、入っている量がまちまち。ひどいのになると半分も入ってない。蓋は開けた形跡が……これってこぼしたのか、蒸発したのか、はたまた飲んだのか??? 結局お菓子も棚に戻して、何も買わずに店を出たのでした。
散策にも飽きて、部屋に帰り、出発まで一眠り。この旅行社ってこういうところが気が利いているというか。時間がもったいないような気もするけれど、こういう余裕が後ですごく影響することは、のちにペルーでわかる。
夜、ロスを出発。しかし、23:40の便でも機内食が出るのか! 空港でサンドイッチ食べちゃった。昼のピザと合わせて相当のカロリーオーバー。
何はともあれ、明日はいよいよグァテマラだ!
この旅行が印象深かった理由の一つには、個性的なツアーの面々のせい、というのもあります。なので問題ない程度にご紹介しましょう。
添乗員M氏
当時20代のおとなしい好青年
ランディ氏
現地ガイド
S夫妻
とってもお元気なのに、なんと70代! やんちゃなご主人としっかりフォローの奥様の、ナイスな組み合わせ
マダムH
画家。服装がなかなかエキセントリックでした
N嬢
保険関係のお仕事とのことで、納得、の世話好きな方
K氏
リフレッシュ休暇中のエリートサラリーマン。帰国後は飲み友達に
U氏
カメラマン。私とともに、出発前の要注意人物リストに載っていたらしい
ビデオおじさん
趣味とのことなのですが、やたら立派なビデオカメラをいつも担いでいる。マダムHが命名
社長
雰囲気が中小企業の社長っぽいだけで、本当に社長かどうかは不明。豪快で気さくないいおじさん
Kさん
確か彼女も70代。普段はとってもおとなしいけれど、実はなかなかパワフルとみた
すごいことにS夫妻以外は単独参加。そして行先が行先なので、若者が多いかと思いきや私が最年少。30歳代もN嬢とK氏のお二人だけで、あとの方は60歳以上ではないでしょうか。でもきくところによると、こういうツアーに参加する人って、大抵の国には行き尽くしてしまった年配の人が多いらしい。
ともかく、ここまではまだプロローグ、いよいよ出発です!