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『風雲マンガ列伝』 夏目房之介

by NATSUME Fusanosuke

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ISBN4-09-371331-6
2000年/小学館
1400円+税
256頁
ブックデザイン:
鈴木成一デザイン室
皆さま、マンガって読みます? 私は全然。なんかマンガ読むのって、本読むよりもずーっと疲れる。10代、いや20代初めくらいまでは読んでいたんですけど、単に年取ったのか? 電車の中でマンガ週刊誌読んでいる人を見ると、すごいなーと思います(イヤミじゃありませんよ)。全然違う絵で、全然違う内容のマンガがつぎつぎ載っているのを毎週読むなんてすごいパワーだ、しかも混んだ電車で押されながら(ホントにイヤミじゃありません)。
で、マンガを読まないわけだから、マンガ論なんてもっと読まないんですが、マンガ読む人の中でマンガ論も読む、っていう人はどれくらいいるんでしょうね? 売れるかどうか不安だ。
それで、マンガ読まないから(しつこい)これ読んでもよく判らない。載っているマンガもマニアックだし。でも話題の『ショムニ』がマンガだということが判った(ってドラマも見てないけど)。「これ読みたい!」と思うようなのもあるのですが、そういうのに限って絶版だったりして。
と、判っていない私に紹介されてもこの本も迷惑だな、きっと。この辺でやめよう。ただはたと気付いたのは、知らないマンガの話を読んでもつまらないなーということから、このHPも同じだということ。だからもっといろんな本を読まねば、と思う2000年の幕開けでありました。
2000年01月13日(木)23:23 PINO - No comments - No TrackbacksTrackBack用URLTrackBackフォーム
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『春夏秋冬いやはや隊が行く』 椎名誠

by SHIINA Makoto

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ISBN4-06-338951-0
1999年/講談社
1500円+税
320頁
ブックデザイン:
鈴木成一デザイン室
イラストレーション:
沢野ひとし
学生時代、私は芸術学部だったのですが埴輪好きが高じて、歴史人類学系に出入りするようになりました。「先史学実習」に参加して、北海道まで発掘にも行ったのですが、その時に「埴輪が好きで」と言ったら「そんな新しいものは出ないよ」とアッサリ言われてしまった、そりゃそうだ先史学だもの。で、先史学専攻のS先輩から聞いた話。モンゴルに発掘に行ったとき、厳寒の中のテント暮らし、そこにテレビかなんかの仕事で椎名誠が来たんだそう。しかしあまりの寒さにホテルに帰ってしまったんだとか。で、翌朝ヘリでやって来て、取材では「昨日はテントで寒かった」なんてことを言っていたらしい。「椎名誠、アウトドアが苦手疑惑」。
でも、そんな疑惑はこれを読めば吹っ飛びます。本書は椎名誠と彼の仲間たち(中村征夫、野田知佑……)らが春夏秋冬ひたすらキャンプに行くというもの。カラー写真満載で、それらを見ているだけでも十分楽しめる。私は軟弱キャンパーだから暖かい時期しかキャンプしないし、恐いからカヌーも海は行かないし……でもこれを見ていると、月並みないい方だけど、やっぱり自然は一年中素晴らしい、って思えます。沖縄でシーカヤックで無人島にいくところなど、アウトドア好きな人でなくても絶対魅かれると思うよ。一番うらやましいのは、いい年になっても一緒にこういうバカやれる仲間がいることだけど。
ところで彼ら「あやしい探検隊」じゃなかったの? と思ったら、だんだん年もとってきて、何かにつけ「いやはやどうも」と言いながら腰を叩いたりするようになったからだそう。なんともいやはや。
2000年01月13日(木)16:57 PINO - No comments - No TrackbacksTrackBack用URLTrackBackフォーム
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『悪童日記』 アゴタ・クリストフ

Le Grand Cahier by Agota KRISTOF/堀茂樹=訳

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ISBN4-15-207704-2
1991年/早川書房
1553円+税
248頁
装幀:高木桜子
何を今さら、と言われそうですが、ベストセラーをタイムリーに読めないところが本を買わない人間の辛さ。ちなみに今話題の『永遠の仔』『白夜行』『五体不満足』あたりは図書館だと30人以上予約待ちで、おそらく一年ではすまないでしょう。再来年の夏にまだ『五体不満足』が読みたいか???
本書、奥付を見ると、1994年5月で17刷だからこのての翻訳書にしてはやはりすごい。恥をさらすと、実は2冊借りてきちゃいました。というのももう一冊は初版で、明らかにカバーの色が違うから、これは上下巻だと思い込んだのでした。図書館の本がそんなに灼けるわけもなし(灼けるような色でもないし)刷りのせいか?
で、話題になったことは知っていたのですが、内容については知らないまま読み始めた。なんとなく『レ・ミゼラブル』みたいなものを想像していたので、ビックリ。むしろこれは『ブリキの太鼓』だ。似ているのはどちらも主人公の子ども(といっても『ブリキの太鼓』のオスカーは子どもではないかもしれないけれど)の目で書かれていることと、なによりも全編に漂う死の匂い。実際に人が死んでいくのは、物語後半の戦争が終わりそうなころからでしょうけれど、それ以前にも、例えば、断食や、感情を出さない訓練、動かない訓練などは一種の死とも言える。そして、『ブリキの太鼓』の太鼓の音が死へ追いつめていくビートのようだったのに対し、この本では淡々とした文体そのものが読む人を追いつめていく。
しかしラストには驚かされました。それまで子どもたちは二人なのに、まるでひとりなのかのように常に同じ行動をしている。それが突然自らの意志で離れ離れになっていくのは全く予期していなかった。これは続編も読まないわけには行きません。
この本が世界中で売れたということはちょっと不思議でもあります。著者はあきらかにどこのことを言っているのかわかるような地名や人名国名などもすべて「大きな町」とか「彼らの国」とかいう書き方をしています。で、我々外国人は、それではすぐにはピンと来ないから、訳者の註に頼ることになる。でも原文には註はないわけで、それでも東欧などの人たちには何を言っているのかわかるわけだから、我々外国人の読み方というのは作者の意図したところとは違うのではないでしょうか?
最近雑誌などでよく、「今世紀中に読んでおきたい本」なんていう特集があったりしますが、それがどうも気に入らない。本をいつ読むかは、例えば、その人の状態(落ち込んでいるとか)によって本は違ったふうにとらえられるのだけれども、それは年号とは関係ないでしょう? 本人の時間軸であって、世の中の時間軸ではない。それらで取り上げられているのって、大抵、20世紀の作家達であるのだけれど、別にそれらが古典になってしまってから読んだって構わないんじゃない? でももしも、本当に今世紀中に読んでおくべき本なんて言うのがあるとすれば、本書や『ブリキの太鼓』ではないでしょうか? 東西ドイツやソ連、なんていうことが忘れ去られてから読んだのではきっとわからないから。
ちなみに『ブリキの太鼓』のギュンター・グラスは今年ノーベル文学賞をとりました。これは私にとって、今年の文学界での一番嬉しいニュースです。
しかし、単行本なんだから栞ぐらい付けてほしいなあ。
1999年12月14日(火)16:14 PINO - No comments - 1 TrackbackTrackBack用URLTrackBackフォーム
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