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277
『むかつく二人』三谷幸喜+清水ミチコ
ISBN-4344012755
2007年1月
幻冬舎
1470円+税
305頁/四六判並製
装丁=和田誠
なんか気軽なものを読みたくなったのでこれを。
2人でパーソナリティをしていたラジオ番組を本にしたものだそうで、しかし本になっても二人の会話がテンポよく進む感じがして楽しい。放送を聴いてみたかったなあ。
って、こういう本は感想が書けないな……。
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277
『迷産時代』宇佐美 游
ISBN-4575235792
ISBN978-4-575-23579-1
2007年4月
双葉社
1500円+税
264頁/四六判上製丸背
装画=いとう瞳
装丁=重原隆
少子化のニュースを聞くとなんとなく違和感を覚える。
経済的にとか、子育て環境がとか、子どもの育つ地球環境がとか、ほんとにみんなそんなこと考えているのだろうか。子どものことに限らず人はみんなそんなに先の先まで考えて生活しているの? そりゃあ今現在の生活にも困るくらいの経済状態ならためらうだろうが、多くの人は「なんとかなる」と勝手に思い込んで(場合によっては自らに思い込ませて)産むんじゃなかろうか。だから前述のような理由はあくまでも後付で、そういうことが改善されたとしてもやはり積極的に産もうとは思わないのではないか。だとすると少子化対策なんてのはあまり効果がないもので、むしろ少子化でも成り立つ社会の仕組みについて考えるべきなんじゃないかと思うのだけど。
で、本書は「迷産」の名の通り、子どもを持つことに迷いのある女性たちの物語。主人公の違う6つの物語からなるのだが、それぞれの主人公は友だちの友だちだったりして微妙に繋がっている。そういう構成の話ってよくあるけれども、これはつながりが何とも微妙というか、繋がっている意味を感じられない。別に無理に繋げなくてもいいのでは、という感じで。
それよりもっと気になるのは、ここに出てくる子持ちの女性たちは、お金持ちの旦那がいる専業主婦でいつもおしゃれだが幼稚園母たちとの付き合いに煩わされている、もしくは仕事を続けているが乾いた肌と髪でいろんなものを犠牲にしているか、のどっちかだ。子どもがいると自分の時間なんて全くなくなって、おしゃれもできなくて、ってのがこれでもかってくらいに繰り返される。
でも本当にそうかなあ。子どもを産んでおしゃれもせずめっきり老け込む人もいるけれども、そういう人はもともとおしゃれの比重が低い人だったはずだ。実際に子どもの保育園のお迎えのときなど、きちんとおしゃれな人はいっぱいいるのに。
子どもがいると諦めることがいっぱいのように書かれているけれども、ならば子どもがいなければ何もかも手に入るのか? 違うでしょう? なんか全体に悪意があるというか、ものすごくねじ曲げられているようでなんとも後味が悪い。実際に「迷産」している人が読んでますます産みたくなくなったら嫌だなあ。
about book design...
本文はリュウミン。
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277
『桜姫』近藤史恵
ISBN-4048733362
2002年1月
角川書店
1700円+税
240頁/四六判上製丸背
装丁=緒方修一
近藤史恵さんの最初に読んだ本は
『アンハッピードッグズ』。読みながらパリの冷たい空気を顔に感じるようなこの本ですっかりファンになってしまったのだけれども、この作品は彼女にとっては異色の作品らしい。その後
『天使はモップを持って』を読んであまりの違いに驚かされる。多分最初に『アンハッピードッグズ』を読んでいなかったら、そんなに気になる作家にはならなかったと思うのだ。あまりにタイプの違う2冊を読んだものだからもう1冊。どちらが本当なのだろうか、と。
この本は『天使はモップを持って』に近いかな。モップ少女が掃除するオフィスのかわりにこちらの舞台は歌舞伎の世界。『天使は〜』もミステリに分類されるけれども、起こる事件は人が死んだりするようなことじゃなくてオフィスで起こる些細な出来事。本書でも昔亡くなった人の死の真相について調べたりするミステリなのだが、結末はなんかこの人らしいなあ、と思う。残虐な、血みどろの事件が起こるばかりがミステリじゃない。悲惨な話はニュースの中だけでたくさんだ(いや本当はニュースの中にこそ出てきてほしくないのに。小説だけでたくさんならいいのに)。ここでは謎解きとか事件はある意味どうでもよくて、登場人物のちょっとした言葉や仕草に心を動かされる。例えばこんな言葉。
「自信なんかない。だから、確実に方法を選んで引き寄せるしかないんです。ぼくから見れば、欲しいものがありながら、なにもせず待っているだけの人間の方がよっぽど自信にあふれているように見えます。黙っていても運命が与えてくれると思っているみたいだ」
ミステリのジャンルに入れられるけれども、この人が書きたいのは人の心なのだな、きっと。だから『アンハッピードッグズ』のような恋愛小説も書けるのだろう。
about book design...
本文はLHM。
別丁扉が「ルーセンスJrはな」という紙で、透け感のある地にお花の型押しがしきつめられているとってもかわいい紙なのだけれども、使ってみたいと思いつつも個性が強すぎて使う機会のないまま廃盤になってしまったのだが、この本にはぴったりだ。
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